オープンソースのイーサリアム エクスプローラーは、どの公開Webサイトにも提供できないものを与えてくれます。あなた専用の、チェーンを眺めるための窓です。レート制限もAPIキーもなく、どのアドレスを調べたかを第三者に記録されることもありません。さらに、チェーンそのものが自分のものである場合、つまりプライベートなコンソーシアムネットワークでも、新しいロールアップでも、今まさにノートPCで動いているAnvilのインスタンスでも、エクスプローラーを手に入れる方法はこれしかありません。
選択肢は、ノードと直接やり取りする1つのDockerコンテナから、テラバイト単位のデータベースを抱える本格的なインデックス基盤まで幅広くあります。ここでは、GitHub上で今も見かける歴史的なプロジェクト2つを含め、2026年に知っておく価値のある6つのプロジェクトを比較し、ローカルノード、プライベートネットワーク、開発用チェーンのそれぞれにどれが合うのかを説明します。メインネットで何かを調べたいだけなら、当サイトの無料のライブ版イーサリアム・エクスプローラーのほうが手っ取り早いでしょう。
なぜプライベート・ローカルのイーサリアム エクスプローラーを動かすのか
プライバシー。ホスト型のエクスプローラーで検索するたびに、あなたのIPアドレスの誰かが特定のウォレットに関心を持っていることが運営者に伝わります。自分のノードに問い合わせるなら、何も漏れません。速度と制限。ローカルのエクスプローラーは決して速度を絞ってきません。コントラクトをデバッグしながらトレースを50回更新するような場面では、これが効いてきます。対応範囲。公開エクスプローラーがインデックスするのは公開チェーンだけです。許可型のHyperledger Besuネットワークや開発用ネット、ローカルのフォークには、自分で動かさない限りエクスプローラーはありません。コントロール。何をインデックスするか、データをどれだけ保持するか、誰に見せるかを自分で決められます。
代償は運用の手間です。5分でインストールできるツールもあれば、メインネットでBlockscoutを動かすのはインフラ構築プロジェクトそのものです。どれがどちらなのかを最初に知っておけば、週末を無駄にせずに済みます。
Blockscout:フル機能のセルフホスト型エクスプローラー
Blockscoutは2018年にPOA Networkで生まれ、現在は100以上のチェーンでエクスプローラーを支えています。当サイトのライブツールがデータを読み込んでいるeth.blockscout.comもその1つです。ここで紹介するプロジェクトの中で、商用エクスプローラーと機能面で肩を並べられるのはBlockscoutだけです。コントラクト検証、Read/Writeタブ、トークンとNFTのページ、内部トランザクション、blob、EIP-7702の委任、REST API、Etherscan互換のRPC APIまで揃っています。メインネットのホスト版インスタンスについては、Blockscoutのレビューで詳しく取り上げています。
2026年4月にライセンスが変わった
今でも多くの記事がBlockscoutをGPL-3.0と紹介していますが、それが当てはまるのはバックエンドv10.2.0、フロントエンドv2.7.1までです。2026年4月22日にリリースされたv11.0.0以降、Blockscoutはソースアベイラブル型のBlockscout Software Licenseのもとで配布されています。自分のチェーン向けにエクスプローラーをセルフホストすること、改変すること、社内で利用することは引き続き無料です。一方、ホスト型サービスとして販売すること、有料のRollup-as-a-Serviceプラットフォームに組み込むこと、導入作業に料金を請求することには商用ライセンスが必要になり、すべての画面に「Powered by Blockscout」のクレジットを表示しなければなりません。v10.2.0以前のフォークは引き続きGPLのままです。
Dockerでのセルフホスト
リポジトリのdocker-composeフォルダには、すぐに使えるDocker Composeファイルが用意されています。必要なのはDocker 20.10以上、Compose 2.x、そして稼働中のJSON-RPCクライアントです。そのフォルダでdocker compose upを実行すると、PostgreSQL 17のデータベース、Redis、バックエンド、フロントエンド、Nginxのプロキシ、そして統計・SolidityからUMLへのビジュアライザー・シグネチャ検索用のRust製マイクロサービスからなるデフォルト構成が起動します。クライアント別のファイルを使えば設定の手間も省けます。docker compose -f erigon.yml up -d、geth.yml(Rethにも使えます)、anvil.yml、hardhat-network.ymlです。いずれもノードがhttp://localhost:8545にあることを前提としています。Linuxでは、コンテナから到達できるよう、ローカルノードを127.0.0.1ではなく0.0.0.0にバインドしてください。
必要なリソースを正直に言うと
Blockscoutはすべてのステート変更と内部呼び出しを取り込むため、トレースを有効にしたアーカイブノードが必要です。ドキュメントでは大規模なチェーンの基準として16コア・32スレッド・メモリ128GBのマシンを推奨しており、本当に重いのはデータベースです。プロジェクト自身の見積もりでは、イーサリアム・メインネットのインデックスに約21,000GiB、Sepoliaに約5,200GiB、イーサリアムクラシックに約555GiBが必要とされています(2024年12月時点の数値で、今後も増える一方です)。小規模なプライベートネットワークなら、同じ構成が控えめなVMでも問題なく動きます。メインネットについては、ほとんどのチームにとって公開インスタンスかホスト型のAutoscoutサービスを使うほうが合理的です。サーバーを発注する前に公式のハードウェア要件を確認してください。
Otterscan:自分のノードの上で動くローカルのイーサリアム エクスプローラー
Otterscanは正反対のアプローチを取っています。独自のデータベースを持たないReactアプリで、その代わりに実行クライアントの内部に実装されたots_名前空間のカスタムJSON-RPCメソッド群を使い、エクスプローラーのページに必要なデータをちょうど1回の呼び出しで取得します。その結果、Etherscanと同じくらい速く感じられ、ノートPCでも動き、検索内容をどこにも送信しないイーサリアムのノード・エクスプローラーができあがりました。アプリ本体はMITライセンスで、Erigonに組み込まれたOtterscan APIはErigonのLGPL-3.0に従います。
現在ots_に対応しているクライアントは3つです。Erigonはv2.29.0から標準で組み込んでおり、--http.api eth,erigon,trace,otsで起動し、ブラウザから呼び出せるよう--http.corsdomainを設定します。Rethも対応しており、--http.apiの一覧にotsを加えるだけです。そしてFoundryのAnvilもこの名前空間を実装しているため、ローカルでのコントラクト開発にはOtterscanが最高の相棒になります。現行リリースはv2.11.0(2025年11月)で、Dockerイメージとして配布されています。
docker run --rm -p 5100:80 --name otterscan -d --env ERIGON_URL="http://127.0.0.1:8545" otterscan/otterscan:v2.11.0
http://localhost:5100を開くと、ブロックとトランザクションのページ、とても読みやすいトレース表示、Sourcifyから取得したコントラクトのソース、4byteディレクトリでデコードされたメソッド名が使えます。一方、トークン保有者の一覧やネットワーク全体のチャートのように、グローバルなインデックスを必要とする機能はありません。それが必要ならBlockscoutを使うことになります。Otterscanのリポジトリから、インストール手順をまとめたドキュメント一式にたどり着けます。
Ethernal:開発用チェーンのために作られたエクスプローラー
Ethernalは、眺めるためのチェーンではなく、自分が開発しているチェーンのために設計されたMITライセンスのエクスプローラーです。app.tryethernal.comのホスト版とセルフホスト版があり、セルフホストする場合はリポジトリをクローンしてmake startを実行し、ブラウザの/setupで設定を仕上げます。内部ではNode.jsのバックエンドがPostgreSQL(TimescaleDB)、Redis、WebSocketサーバーとともに動いています。Hardhat、Anvil、Gethのほか、OP StackやZKロールアップにも対応しており、別途用意されたhardhat-ethernalプラグインを使えばHardhatプロジェクトからコントラクトのアーティファクトを送り込めるので、デプロイした瞬間からコントラクトがデコードされた状態で表示されます。
Chainlens(旧Epirus):BesuとQuorum向けのエクスプローラー
Web3 Labsは自社のエクスプローラーの名前を2度変えています。EpirusがSiratoになり、SiratoがChainlensになりました。名前は変わっても、狙いは変わっていません。Chainlensは企業環境のEVMネットワーク、特にHyperledger BesuとGoQuorumに焦点を当てています。無料版のchainlens-freeはDocker ComposeまたはKubernetesで動きます。NODE_ENDPOINTに自分のノードを設定してdocker-compose upを実行するだけで、推奨される最低要件は1CPU・メモリ8GBと、チェーンの規模に応じたディスク容量です。ライセンスには注意してください。無料版は非商用利用と評価目的に限られ、商用で導入するにはWeb3 Labsとの契約が必要です。同社はホスト型のプランも販売しています。
プライベートなイーサリアムネットワーク向けのブロックエクスプローラー
BesuやGoQuorumで構築された許可型ネットワークは、たいていQBFTやIBFT 2.0のコンセンサスを使っており、メインネットと同じエクスプローラーの要件に加えて、アクセス制御というもう1つの要件を抱えています。ドキュメントがしっかり整っている選択肢は2つです。BesuのドキュメントではChainlensが紹介されており、Developer Quickstartでは--chainlens trueオプションを使ってChainlensを有効にした状態のネットワークを生成できます。BlockscoutはBesuを正式なJSON-RPCバリアント(ETHEREUM_JSONRPC_VARIANT=besu)としてサポートしており、Geth Cliqueネットワーク向けのComposeファイルも同梱しています。内部トランザクションを見たいなら、ノードをトレース付きのアーカイブモードで動かしてください。
どちらを選ぶにしても、エクスプローラーは台帳のすべてを読み取れる窓だということを忘れないでください。機密性が重要なコンソーシアムチェーンでは、インターネットにそのまま公開するのではなく、VPNや認証付きのリバースプロキシの内側に置きましょう。エクスプローラーのデータベースも機密情報として扱うべきです。ネットワークのデータを、簡単に検索できる形で丸ごと複製したものだからです。企業の実証実験(PoC)でプライベートチェーンを立ち上げる場合も、社内の情報セキュリティ規程に沿って、エクスプローラーを誰が閲覧できるのかを最初に決めておくと後で揉めずに済みます。
ローカルの開発用チェーン向けエクスプローラー:AnvilとHardhat
FoundryのAnvilもHardhatノードも、デフォルトでは127.0.0.1:8545でチェーンID 31337のJSON-RPCを提供します。そのため、どのエクスプローラーにも簡単に接続できます。当サイトのおすすめの順番は次のとおりです。AnvilにはOtterscan。データベースが不要で、Anvilがネイティブでots_を話すからです。チームがHardhatを使っていて、コントラクトを自動でデコードしてほしいならEthernal。そして、dAppが本番さながらのエクスプローラーでどう見えるかを試したいときは、Blockscoutのanvil.ymlやhardhat-network.ymlです。開発用チェーンを再起動するとブロック0からやり直しになるので、データベースを持つエクスプローラーも合わせてリセットが必要になる点は覚えておいてください。
ローカルチェーンから公開テストネットへ移ったら、自分でエクスプローラーを動かす必要はなくなります。ホスト型のものはSepoliaとHoodiのテストネット・エクスプローラーガイドで紹介しており、デプロイ後の検証手順はスマートコントラクト・エクスプローラーガイドで解説しています。
歴史的なプロジェクト:ExpeditionとEthereum Lite Explorer
Expedition
Expeditionは、ETC Labsがイーサリアムクラシック、イーサリアム、そしてそれらのテストネット向けに作ったミニマルなエクスプローラーです。データベースを持たず、TypeScriptとReactのフロントエンドがJSON-RPCエンドポイントを直接呼び出します。?rpcUrl=パラメータを使えば、ローカルのものを含めて任意のノードに向けられます。元のetclabscore/expeditionリポジトリは2021年にアーカイブされ、フォークのxops/expeditionも2022年以降コミットがありません。ホスト版のexpedition.devは、2026年9月に確認した時点で応答しませんでした。それでも、特にETC向けの軽量なセルフホスト型ビューアーとしては今でも使えます。メンテナンスされているETCのエクスプローラーについては、イーサリアムクラシック・エクスプローラーガイドをご覧ください。
AlethioのEthereum Lite Explorer
Ethereum Lite Explorerは、元祖「バックエンドのないエクスプローラー」でした。React、MobX、TypeScriptで書かれたクライアントサイドのアプリで、InfuraからGanache、Besuまで任意のJSON-RPCノードに接続でき、パネルを追加できるプラグインの仕組みも備えていました。2019年から2020年にかけては、プライベートネットワーク向けに本当に重宝されたツールです。その後Alethioは活動を停止し、同社のGitHub organizationにはソフトウェアがおそらくメンテナンスされていないという注意書きがあり、最後のタグ付きリリースは2020年4月のv1.0.0-beta.10です。MITライセンスのコードは読み物としては今でも面白いのですが、2026年に大切なネットワークへ導入するのはおすすめしません。