代替サービス · 2026年9月検証
本当に使える、Etherscanの代替エクスプローラー
無料APIの縮小、アカウント登録の壁、非公開のコード。こうした理由で乗り換え先を探す人が増えています。同じウォレットとトランザクションで11のエクスプローラーを試し、ブックマークする価値があるもの、そしてひっそりと姿を消したものを報告します。
2013年創業の規制対応取引所
- 11サービスを確認
- API呼び出しを実測
- 終了したサービスも明記
著者 ethexplorer.org 編集部· 更新日 · 13 分で読めます
Etherscanは優れたエクスプローラーです。Etherscanレビューでもはっきりそう書いていますし、日常的な用途では私たちのランキングでも首位です。それでも、Etherscanの代替を求める人は増え続けており、その理由は流行ではなく具体的なものです。無料枠の制限が厳しくなってスクリプトが動かなくなった開発者がいます。アカウント登録が不要で、閲覧履歴を広告ネットワークに送らないエクスプローラーを求める人もいます。さらに、デバッガー、攻撃の追跡ツール、自分のハードウェアで動かせるものなど、Etherscanがそもそも提供していない道具を必要とする人もいます。
このページでは、そうした代替サービスと、それぞれがどんな人に向いているかを紹介します。ランキングではありません。順位を知りたい方はおすすめイーサリアム・ブロックエクスプローラーをご覧ください。ここではエクスプローラーを一つずつ取り上げ、有名なサービスが実はもう停止している、といった都合の悪い話も含めて正直にお伝えします。Etherscanの使い方にはもう慣れていて、その「次の一本」を探している方に向けた内容です。
2026年、Etherscanの代替が求められる理由
無料APIが2度にわたって縮小した
2025年11月、Etherscanは統合されたV2 APIの無料枠から、Base、BNB Chain、Optimism、Avalancheといった利用の多いチェーンを外しました。続いて2026年7月の変更履歴では、無料プランで1リクエストあたりに返す最大件数を10,000件から1,000件に削減し、ブロック範囲指定で内部トランザクションを取得するエンドポイントも無料キーから外しました。残ったチェーンについては、無料枠でも引き続き毎秒3コール・1日100,000コールが使え、その上には新しく安価なLiteプランも用意されています。とはいえ、大きなアドレス履歴をページ送りで取得する趣味のスクリプトにとって、ページサイズが10分の1になれば呼び出し回数は10倍になります。そこで乗り換え先を探し始める人が出てくるわけです。
プライバシーとアカウント
調べるアドレスはどれも、あなた自身について何かを語ります。それが自分のアドレスであればなおさらです。ホスト型のエクスプローラーは、あなたのIPアドレス、検索内容、そしてウォレットを接続すればそのウォレットまで把握できます。単純に、そこに向けられる目を減らしたいという読者もいます。その場合はプライバシーを重視した運営者か、セルフホストのツールが選択肢になります。
オープンなコード、マルチチェーン、開発者向けツール
Etherscanのコードは非公開です。プライベートネットワーク、新しいロールアップ、企業のチェーンを運用していても、Etherscanを自分でデプロイすることはできません。マルチチェーンのユーザーは、ネットワークごとに別々の「〜scan」サイトを使い分けるのではなく、一つの検索窓を求めています。そして開発者は、トランザクションの受領証を超えたトレース、シミュレーション、資金の流れのグラフをますます求めるようになっています。
Etherscan無料枠のページサイズ
10K → 1K
1リクエストあたりの最大件数、2026年7月
必要なAPIキーの数
0
BlockscoutとRoutescanでのテスト呼び出し
姿を消した有名サービス
2
Bloxyはリダイレクト、Ethernowは終了
汎用型のEtherscan代替
Blockscout:セルフホストもできるオールラウンダー
Etherscanができることのほぼすべてを一つでカバーする代替を求めるなら、答えはBlockscoutです。イーサリアム向けインスタンスのeth.blockscout.comは、トランザクション、内部呼び出し、トークン移転、NFT、Read/Writeタブつきの検証済みコントラクトを表示し、blobやEIP-7702の委任にもいち早く対応しました。コードは公開されており(v10.2.0まではGPL-3.0、2026年4月のv11以降はソース公開型ライセンス)、100を超えるチェーンで稼働しているので、ここで覚えた操作はGnosis、多くのロールアップ、数多くのプライベートネットワークでもそのまま通用します。最大の魅力はAPIです。REST v2とEtherscan互換のエンドポイントはキーなしで応答し、無料の開発者キーを取得すれば、120を超えるチェーンで1日100,000クレジット、毎秒5リクエストが使えます。取引所やプロトコルのラベルはEtherscanより薄めです。詳細はBlockscoutレビューをご覧ください。
Blockchair:プライバシー重視、40以上のチェーンを一つの検索窓で
Blockchairはイーサリアムを40あまりのチェーンの一つとして扱っており、まさにそれがマルチチェーンのリサーチャーに好まれる理由です。フィルターを使えば、表計算ソフトのように手数料、金額、時刻でトランザクションを並べ替えられ、プライバシー方針は大手のホスト型エクスプローラーの中で最も強固です。確認した時点で、統計エンドポイントはイーサリアムの総トランザクション数を約37.5億件、直近24時間を183万件と集計していました。コントラクト関連のツールは手薄で、キー不要のAPIは1日約1,440リクエスト、毎分30リクエストの厳格な上限つきです。さらに詳しくはBlockchairレビューで解説しています。
Routescan:Etherscan互換のトランザクション・エクスプローラー
RoutescanはAvalancheの世界で生まれ、いまでは数多くのEVMチェーン向けにエクスプローラーを運営しています。イーサリアムのトランザクション・エクスプローラーとしては飾り気がないものの、正確です。本当に知っておくべき理由はAPIで、Etherscanのmoduleとactionのパラメーターをそのまま踏襲しているため、既存のコードはベースURLを変えるだけで動くことが多いのです。api.routescan.io/v2/network/mainnet/evm/1/etherscan/apiに対して、最新ブロックとvitalik.ethのアドレスの残高をキーなしで問い合わせたところ、きれいなJSONが返ってきました。ブラウザアプリ向けにCORSも開放されています。Routescanは毎秒5リクエスト・1日100,000リクエストの無料枠をうたっており、有料プランでその上限を引き上げられます。ethereum.orgの開発者向けツールの一覧にも掲載されています。
Blockchain.comのエクスプローラー:作業台ではなく、イーサリアムのダッシュボード
Blockchain.comはビットコインで知っている人が多いでしょう。そのイーサリアムのページも似たような作りです。上半分は価格チャートで、その下に最新のブロック番号、時価総額、供給量、24時間の取引量がライブで並び、イーサリアムのアドレスやトランザクションハッシュを受け付ける検索窓があります。「自分のETHはちゃんと届いているか」をざっと確かめるには十分です。それ以上のことにはまったく向きません。検証済みコントラクトも、デコードされた入力データも、トレースもありません。一つ、思わず顔をしかめた点があります。訪問した時点で、「about」欄にはいまもアルゴリズムがEthashと記載され、イーサリアムはプルーフ・オブ・ワークを使っていると書かれていました。The Mergeから4年経ってもです。Blockchain.comのイーサリアム・エクスプローラーは、検索窓のついたダッシュボードと考えてください。
OKLink:ラベルとリスクスコア
OKXグループが運営するOKLinkは、コンプライアンス色の強い大規模なマルチチェーン・エクスプローラーです。アドレスページにはリスクラベルが付き、非公開ラベル、アドレス監視、Etherscanのものに似たトークン承認チェッカーも提供しています。同じデータはOKX Walletのエクスプローラーの中にも表示されます。画面は情報が多くてごちゃごちゃしており、APIにはキーが必要ですが、あるアドレスがハッキング事件や制裁対象と関係しているかどうかのセカンドオピニオンが欲しいときには、見てみる価値があります。
Tokenview:まだ稼働中、ただしアクセスしにくい
2016年に創業したマルチチェーン・エクスプローラーのTokenviewは、2026年もオンラインで、100を超えるチェーンに対応していると主張しています。ブロック、アドレス、トランザクション、トークン残高といったイーサリアムの基本はカバーしています。変わったのはアクセスのしやすさです。いまのサイトは、何かを読み込む前に訪問者をブラウザの認証チャレンジページに通すため、ちょっとした確認に時間がかかり、スクレイピングも意味をなさなくなりました。実用上は有料APIが現実的な手段です。日常使いではなく、予備として取っておくくらいがよいでしょう。
用途別のEtherscan代替。「無料で使える範囲」は2026年9月時点で支払いなしに使えた内容です。 | 代替サービス | Etherscanの代わりになる用途 | 無料で使える範囲 | 注意点 |
| Blockscout | 日常的な確認全般、API | Web+キー不要API | ラベルが少なめ |
| Blockchair | マルチチェーンの調査 | Web、APIは小規模 | コントラクト機能は基本のみ |
| Routescan | Etherscan形式のAPI呼び出し | キー不要API | ラベルがまばら |
| Blockchain.com | 残高をざっと確認 | Web | コントラクト機能なし、記述が古い |
| OKLink | リスクラベル | Web、APIはキー必須 | 画面が煩雑 |
| Tenderly | revertのデバッグ | 無料プラン、要アカウント | 無料ではAPIなし |
| Phalcon | 攻撃(エクスプロイト)の分析 | Web | 一部ツールはログインが必要 |
| Otterscan | プライベートなローカル検索 | セルフホスト | Erigonのアーカイブノードが必要 |
| Trezor(Blockbook) | シンプルなウォレット履歴 | Webのみ | Trezor Suite向けに作られている |
開発者・セキュリティ向けの代替
Tenderly:なぜrevertしたのか?
Etherscanはトランザクションが失敗したことを教えてくれます。TenderlyのDeveloper Explorerは、なぜ失敗したのかを教えてくれます。失敗したスワップを開くと、revertした内部呼び出しをピンポイントで示す完全なコールトレース、デコード済みのイベント、ストレージスロットごとの状態変化、ステップ実行できるデバッガー、フレームチャートで描かれたガスプロファイラーが表示されます。シミュレーターを使えば、本物のETHをもう一度使う前に、ガス上限やパラメーターを変えて同じトランザクションを再現できます。アカウントが必要で、無料プランでは監視できるコントラクトやウォレットが20程度に限られ、APIアクセスはありません。それでもSolidityを書く人や監査する人にとって、revertが起きたときに私たちが真っ先に開くタブです。背景にある概念はスマートコントラクト検索ガイドで解説しています。
BlockSecのPhalcon:盗まれた資金を追う
PhalconはBlockSecのセキュリティチームが作ったツールで、それがよく表れています。一つのトランザクションページに、呼び出しの流れ、すべてのトークン移動を描いた資金フローのグラフ、関係するすべてのアドレスの残高変化、そしてトレースだけでは見落としがちな変更されたストレージ変数が表示されます。20を大きく超えるチェーンに対応しているため、ネットワークをまたいで移動する攻撃を追跡するのにリサーチャーが使っています。入金の確認に使うツールではありませんが、自分が使っているプロトコルが悪い意味でニュースになったとき、何が起きたのかを理解できるのはPhalconです。
Otterscan:自分のノードで動く、自分だけのエクスプローラー
プライバシーに対する答えがOtterscanです。MITライセンスのWebアプリで、ots_のRPC名前空間を通じて自分のErigonアーカイブノードと通信するため、何を調べたかを他人に知られることはありません。ページの表示は速く、内部トランザクションはきちんとしたツリーで表示され、広告もアカウントもありません。RethやAnvilへの対応もありますが部分的なので、Erigonが最もスムーズな選択肢です。代償は同期済みのアーカイブノードで、ディスク容量の面ではかなりの負担になります。セットアップの手順はオープンソースのイーサリアム・エクスプローラーのガイドで紹介しています。
- 1 STEP 01
クエリはそのまま、接続先だけ変える
module=account&action=balanceのようなEtherscan形式の呼び出しは、BlockscoutでもRoutescanでも動きます。まずベースURLを差し替え、エンドポイントを一つだけテストしてください。
- 2 STEP 02
ページングの制限を確認する
ページサイズの上限はサービスごとに異なります。一度の呼び出しで全件を求めるのではなく、pageとoffsetを使ってループさせましょう。
- 3 STEP 03
2つ目の接続先を用意する
HTTP 429が返ってきたら予備に切り替えます。気前のよいサービス一つより、キー不要のサービス2つのほうが信頼性は高くなります。
これまで見てきた移行作業の大半は、この3つのステップでカバーできます。サービスごとの正確なレート制限とリクエスト例は、イーサリアムのブロックエクスプローラーAPIガイドをお読みください。
Trezorのイーサリアム・エクスプローラーと、Bloxyのその後
eth1.trezor.ioにあるTrezorのエクスプローラー
ハードウェアウォレットの利用者は、Trezor Suiteのリンクからeth1.trezor.ioにたどり着くことがあります。これはBlockbookのインスタンスで、SatoshiLabsが自社のウォレットソフトに残高と履歴を提供するために作ったオープンソース(AGPL-3.0)のインデクサーです。ステータスページは驚くほど正直で、確認した時点ではErigon 3.5.5のアーカイブノード上でBlockbook 0.6.0が動き、コンセンサスクライアントはPrysm、ブロック26,046,161まで完全に同期していました。アドレスを開いてETHとトークンの残高を確認し、トランザクションを閲覧し、署名済みの生トランザクションをブロードキャストすることまでできます。ただしフッターの文言は真剣に受け止めてください。このサービスはTrezor Suite向けに提供されており、それ以外の目的には使わないよう明記されているので、アプリの基盤にはなりません。この方式が気に入ったなら、BlockbookはGitHubで公開されており、セルフホストできます。
bloxy.info:姿は消えても、忘れられてはいない
Bloxyは、資金フローのグラフが一般的になるずっと前から、コントラクト間のお金の流れを追うために使われていたエクスプローラーです。2026年9月時点で、bloxy.infoは独自のページを表示しておらず、explorer.bitquery.ioへの恒久的なリダイレクトを返します。これは買収ではありません。BitqueryはBloxyから成長した企業で、そのエクスプローラーはBitqueryのGraphQL APIの上にウィジェットを組み合わせて作られています。ヘビーユーザーは、Bitqueryがイーサリアム向けの旧V1 APIを非推奨にしてV2へ移行したことを知っておくべきです。保存してある古いクエリは書き直しが必要になるかもしれません。GraphQLを書かずにBloxy風の資金フロー表示を使いたいなら、Phalconの資金フロータブが現在最も近い選択肢です。
自分に合ったEtherscanの代替を選ぶ
一つだけ変えるとしたら、Blockscoutを2つ目のエクスプローラーとして加えてください。ほぼすべての検索に対応し、無料でキー不要のAPIも使えます。Etherscan形式の呼び出し用にはRoutescanを予備に取っておきましょう。トランザクションの挙動がおかしいときはTenderlyかPhalconを、利便性よりプライバシーが大事なときはOtterscanを使います。ステーキングのデータには別の種類のツールが必要で、それはビーコンチェーン・エクスプローラーのガイドで扱っています。ロールアップについてはレイヤー2エクスプローラーの概要をご覧ください。
どれを選ぶにしても、あなたを最も守ってくれる習慣は同じです。入金、出金、スワップのたびに、ハッシュを2つ目のエクスプローラーに貼り付けて、独立して確認すること。かかる時間は10秒ほどで、何を見ればよいかはトランザクション確認ガイドで解説しています。手元にハッシュがあるなら、いますぐ当サイトのライブ検索で試してみてください。